飛行機がそんなに好きなわけではない
移動が苦手である。自分で運転する車はまだいい、渋滞にさえはまらなければ。鉄道は乗った側から退屈してしまい、車窓を楽しむといっても、例えば、東京から大阪までで新幹線に乗ったとして、富士山に浜名湖など見どころはピンポイントで、それ以外は延々と変わり映えのしない風景が続く。乗り継ぎなどの待ち時間は正直に言って苦痛以外のなにものでもない。
まして、もっと狭い空間に閉じ込められて、外を眺めても下手すると雲しか見えない飛行機はいちばん苦手であった。年に10回以上は乗るにしても、それは仕事としてで有、長距離の移動手段として他に選択肢がないのでやむを得ずというのが最大の理由である。
もちろん、嫌いなわけでもない。珍しい飛行機を見かけたり、最新鋭機種に当たったりすると、楽しくもなるし写真も撮る。それでも、もし時間も予算も許すなら、船や寝台列車でのんびりと旅してみたいとも思う。もっとも、それとて乗った途端に退屈するのかもしれないが。
行列嫌い
そんな筆者が今年(2018年)、日本航空のマイレージサービス JMB の上級会員を目指し、あまつさえ、JALグローバルクラブ(JGC)の資格を取得しようと計画している。
なぜ、そのような事態に至ったのかというと、飛行機に乗るのが無類の喜びというわけではないだけに、しかし、確実に年に何度かはある海外出張時をより快適に過ごせるようになるためといったところであろうか。
先ほども書いたように、待ち時間をやり過ごすのが得意ではない。職業柄、パソコンさえあればどこでも仕事はできるので、余った時間にやることには事欠かない。しかし、無駄に行列に並んだり、空いていて快適なカフェを求めて空港内をあっちこっち歩き回るというのは、決して楽しいことではない。
そういえば、食事時に並ばないと入れないような、いわゆる行列のできる店は極力避けている。たいていの場合、そういうところはテレビや雑誌で紹介されたのが混雑の原因で、1時間も並ぶほどのものでもないケースが多いからではあるが、根本的に待つのが嫌いだからでもある。
上級会員のメリット
それゆえ、優先チェックインが受けられて、出発前にラウンジが使えるというのは大きなメリットである。
成田や羽田でJALやANAを利用している限りでは、年末年始・GW・お盆でもなければ、チェックインカウンターに大行列ということには中々ならない。しかし、海外の空港、とくに東南アジアでは、出発2時間前には相当な行列を覚悟しない蹴ればならない。
また、保安区域内に入ってしまうと、落ち着いてゆっくりできるカフェが常にあるとも限らない。カフェがあっても混んでいたり、スタンド程度のものしかないということさえある。
常に上級クラスを利用できるのであればいざ知らず、エコノミーのさして広くもない席に数時間座り続ける、その前の空港の段階だけでも、優先チェックインとラウンジ利用で楽に過ごすことができれば、その後もずいぶんと違うはずである。
実際に恩恵を受けてみて
直接のきっかけは、最近よく一緒に海外出張に出かける友人がJALの上級ステータスを持っていて(この人は本当に仕事で乗りまくって結果的にエリート会員というパターン)、その人に連れられて各地のラウンジを利用したこと、さらに昨年、自分でもプレミアムエコノミーを何度か利用してますます味を占めたことの2つである。
特に海外空港での優先チェックインの恩恵は絶大であった。例えば、バンコクのスワンナプーム国際空港は余りの利用客の多さに常に混雑しており、チェックインカウンターに長蛇の列ができていることも珍しくない。そんなときにビジネスクラス用カウンターであっという間に手続きできるのは、実に快適であった。
この画像は羽田空港国際線ターミナルのJALカウンターであるが、奥からファーストクラス用、JGC用、ビジネスクラス用となっていて、それぞれに2カウンターずつ充てられている。さらにこの手前に、プレミアムエコノミー用が1つ、オンラインなどでチェックイン済みで荷物を預けるだけのカウンターが2つ、エコノミー用のカウンターも2つあるのだが、このカウンター数の割り当てだけを見ても、いかに上級クラスが優遇されているかが分かろうというものだ。