日本発券と海外発券を組み合わせて2往復
筆者は2年前と昨年に実践したが、日本発券と海外発券を入れ籠にして2往復する修行、いや、正確には二度の出張の旅費を少しでも安く上げる裏技(?)。
2年前は、どちらもマレーシア航空のビジネスクラスで、成田 - (ヤンゴン経由) - クアラルンプール - 成田とクアラルンプール - 成田 - クアラルンプールを組み合わせて、クアラルンプールまで2往復した。
去年はバンコク行きJALエコノミークラス、バンコク - クアラルンプールのMHビジネスクラス、クアラルンプール発券のJALプレミアムエコノミーの3つを組み合わせて、成田 - バンコク - クアラルンプール - 成田 - クアラルンプール - バンコク - 成田とバンコクとクアラルンプール行きの2回分をまとめて発券した。
どちらかというと諸事情に縛られて、FOP単価だけを追求した旅程ではなかったが、今年はどのような組み合わせでよい単価が出せるだろうか。今年最初のクアラルンプール行きがキャンセルになるかもしれない情勢で、ネットで色々と航空運賃を調べて妄想の世界に遊んでみた。
王道のクアラルンプール線プレミアムエコノミー
まずはプレミアムエコノミーのクアラルンプール行きと、同じくプレエコの成田行きによる2往復。実は、これに関しては4月と6月にそれぞれ往復する形で発券済である。昨年末の時点でおおよその出張日程を組んで、少々の日程変更はマレーシア発券の方で対処しようという計画であった。
日本発券はSpecial Saver E-MI。運賃が113,000円に諸費用が15,780円の合計128,780円。予約変更も払い戻しも不可というルールだが、有効期間が2日〜12ヶ月と柔軟で、OKA - KULタッチにも使えそうだし、なにより、クアラルンプール発券の両側、最初の現地行きと最後の帰国便に便利である。
クアラルンプール発券は運賃MYR2,490.00に諸費用MYR562.00で合計MYR3,052.00、先週末のレートでおおよそ81,000円ほどである。筆者が予約を入れた日と上の画像とでは諸費用に差が出ていて2リンギットほど違っているが、おそらくは為替のせいであろう。
どちらも単純な日本とマレーシアの往復プレミアムエコノミーなので、獲得できるFOPも同じなのだが、その差額は5万円弱。クアラルンプール発券がいかにお得なのかということがよく分かる。
- 日本発券 128,780円 / 10,814FOP = 11.90円@FOP
- 海外発券 81,000円 / 10,814FOP = 7.49円@FOP
- 全体 約210,000円 / 21,628FOP = 9.70円@FOP
トータルでは単価10円を切っているので、まずまず良好な成績と言えよう。今回の日本発券は4月行きの6月帰りであるが、これをできるだけ、例えば半年などに伸ばして、その間に4回クアラルンプール発券を組み合わせれば、単価8.4円程度でサファイア到達が可能だ。こんな風にFOP単価を計算するのも久しぶりである。
ちなみに、どちらのチケットも仕事で自己負担はゼロ、実は究極のFOP単価0円なのだ。
MHビジネスクラスを利用してクアラルンプール
マレーシア航空は予約期間が3月2日までで今年何度目か分からないバーゲン運賃を発表している。なんと日本からビジネスクラス往復で95,000円からという、久々に破格の運賃設定かと思い、通知メールが届いたときにすぐに予約しようとしたのだが、残念ながらこの価格はコタキナバル行きのみ。東南アジア各都市は12万円、クアラルンプールは13万円という設定である。
この激安コタキナバル行きを利用して、クアラルンプールでストップオーバー、その間にJALのクアラルンプール発券で往復するというパターンを考えてみたが、どうやら直行便でないとこの価格にはならないようである。
なお、成田 - コタキナバル直行便なら諸費用込みで106,440円。予約クラスは積算率125%のZなので6,396FOP。単価は16.64円@FOPと、マレーシア航空ビジネスクラスのバーゲン運賃としてはまったくよくない。しかも、機材が737-800なのでシートもフルフラットではないなど、あまり食指の動かないところである。
マレーシア航空のセール価格の常で、成田 - クアラルンプールの単純往復が東南アジアではいちばん高くなるので、成田 - クアラルンプール - バンコク往復で往きか帰りどちらか1回クアラルンプールにストップオーバーする旅程で試算してみよう。ちなみに、価格は運賃127,000円と諸費用14,310円である。
- 日本発券 141,310円 / 10,230FOP = 13.81円@FOP (MH 予約クラスZ)
- 海外発券 81,000円 / 10,814FOP = 7.49円@FOP (JL プレエコ)
- 全体 約223,000円 / 21,044FOP = 10.59円@FOP
最近のマレーシア航空のセールを利用したFOP単価はこんな感じである。A350のビジネスクラスを利用できるというのはポイントが高いものの、獲得できるFOPや単価という観点からは往復ともJALのプレエコ利用には勝てない。
新規開設の羽田 - シドニー線
羽田移管による記念運賃なのか、あるいは就航50周年の記念なのか、距離の割に意外と高くないのがシドニー線である。日本からも安いがシドニー発はもっと安い価格設定である。
日本発券はPremium Economy Saverで運賃130,000円と、10時間近く乗る路線にしてはかなり安いと思われるが、諸税と燃油サーチャージが34,430円と高い。シドニー発券は運賃AUD1,515.00に諸費用AUD183.54で合計がAUD1,698.54、日本円にすると126,000円ほどになる。運賃部分だけを見れば1万円ほどの差であるが(それでも充分大きいが)、諸費用が倍以上も違ってくる。
- 日本発券 164,330円 / 15,390FOP = 10.68円@FOP
- 海外発券 126,000円 / 15,390FOP = 8.19円@FOP
- 合計 290,000円 / 30,780FOP = 9.42円@FOP
トータルでやはり単価10円を切ってきた。同じJALプレエコによるクアラルンプール2往復と比べても、単価も僅かばかりだがよくなるし、獲得できるFOPも1万ポイント多くなる。
1度の持ち出しが30万円と大きくなるが、そこさえ問題なければ魅力的なプランである。使用機材もJAL Sky Suiteなので、Sky Suite IIIのクアラルンプール線と比べて、マイルでビジネスクラスにアップグレードしたときの満足感は大きい。窓側の席ならほぼ個室状態になるのが Sky Suite の良さである。
このシドニー2往復だけでも一発でクリスタル到達であるし、日本発券を沖縄発着にして、その前後に羽田 - 那覇を先得で追加すれば、7,688FOPを獲得できる。筆者の場合、JALカードの初回搭乗分で5,000FOPに、ダイヤモンド会員の追加分で更に3,000FOがあるので、もし、FOP1.5倍月に全行程を終わらせれば、5万FOP超えでサファイア到達なのである。
問題は今のところシドニーには何の用事もなく、やるとしたらすべて自費による本当の修行になってしまうことだ。