MHupgradeとは
マレーシア航空では入札アップグレード制度を導入していて、エコノミークラスの航空券を購入した乗客は自分の希望額で入札することができる。アップグレードに成功するかどうかは、もちろん入札した金額次第であるが、それ以外にも空席状況なども関わってくる。もちろん、アップグレードできなかった場合は追加の支払など発生しない。
この制度をマレーシア航空ではMHupgradeと呼んでおり、ウェブサイト上にもこのシステムの説明がある。日本ではJALもANAも入札制を導入していないので、なじみは薄いかもしれない。
しかし、海外の航空会社でこのシステムを採用しているところは多く、筆者もキャセイパシフィック航空で入札したことがある。そのときは往復とも入札したが、片道しか成功しなかった。
MHupgradeの対象に該当
今回、バンコクからクアラルンプール往復をマレーシア航空のエコノミークラスで発券しており、それがMHupgradeの対象ということで、" Get Upgraded on your Malaysia Airlines flight! " というタイトルの案内メールが、発券後すぐに送られてきた。
メール本文には " YOU ARE ELIGIBLE FOR AN UPGRADE. " (あなたのチケットはアップグレード入札の対象です)とある。また、全てのフライトがアップグレード対象ではないが、アタナのフライトは対象だよとも書かれており、ビジネスクラスの需要が高い路線や便では入札アップグレードをしない可能性があるのだろう。
また、予約クラスによっても入札できるかどうか違いがあるかもしれない。今回のマレーシア航空に関しては、JMBのマイル積算対象外の安い運賃クラスであったが、往復とも対象であった。しかし、キャセイで対象外だったことがあり(通常、自分の航空券が入札できるかどうかはオンラインで確認できる)、もちろん、なぜ入札できないのかという理由は開示されないが、予約クラスの低さが原因だったのではないかと思っている。
MHupgradeに入札
メールで案内されたURLか、オンラインで予約番号を入れると、アップグレードに入札するページになる。ここで自分の好きな金額を入れることになる。
往復で発券していても片道ずつ入札することができ、往路復路のどちらだけに入れるとか、疲れているから確実にアップグレードしたい復路は高めに入れるとか、その辺りは自由に設定できる。また、入札した金額に応じて、落札できる可能性が weak から excellent まで5段階で表示されるので、それを参照しながら入札額を調整してもいい。
筆者の場合は100USDにした。これは購入したエコノミークラスの運賃と、その時点でのビジネスクラスのいちばん安い価格との差が2万5千円だったので、100ドルなら往復とも落札できても少し安くなるという点と、この金額が5段階の真ん中 good から一つ下の fair に変わるラインだったので、落札できる可能性は少し低めだが、まあ落とせれば儲けものぐらいの感覚であった。
入札すると " Upgrade Request " というタイトルのメールが送られてきて、" OFFER SUBMITTED " と自分の入札が完了していることが分かる。
アップグレード成功
入札は出発の72時間前が締めきりで、それを過ぎると1時間ほどで結果を知らせるメールが送られてきた。タイトルは " MH Flight 78* - You've been upgraded "、アップグレードに成功していた。この通知メールとは別に、追加分の領収書ともなる EMD (Electronic Miscellaneous Document Receipt) というのがメールで送られてくる。
これで BKK - KUL の往路はビジネスクラスにアップグレードされた。出発48時間前に送られてくる、オンラインチェックインのお知らせでフライト情報を見たところ、予約クラスはIとなっていた。もちろん、マイル積算対象外である。入札アップグレードの場合、マイル積算は元の予約クラスに基づくので、いずれにしても問題外であるのだが。
クアラルンプールからバンコクへの復路についても、同じ100USDで入札してあるが、この結果が分かるのは出発の3日前、つまり、2ヶ月後のことである。