JALマイレージバンクが特別対応を
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの路線で運休や大幅な減便が発生している。この状況で大きな航空需要がある訳もなく、輸送能力の削減は致し方ないところではあるが、予約していた便のキャンセルなどで予定の変更を余儀なくされた人も多いだろう。
そこで、JMBはマイル、eJALポイント、Fly On Pointの取扱いについて、特別対応を行うことになったという旨が発表された。今回の事態に起因する予定変更などへの補償という側面もあるが、ある意味では、これまでの運休や減便といった損失を減らすための施策から、需要喚起の施策への転換とも言えよう。
マイルの実質的期限延長
まずはマイルそのものの扱いだが、これは実質的には有効期限の延長とも言えるものである。2月から7月末までに期限の切れるマイルとeJALに関しては、一旦失効するものの、その翌月に新たに有効期間が1年あるeJALポイントとして積算される。その際、マイルに関しては1.5倍のeJALポイントで積算される。
本来なら1.5倍になるというのは、1万マイルまとめて交換する際のレートであり、それをもっと少ないマイル数でも適用してくれる。6千マイルあれば9千円分のeJALポイントになる。路線と時期、フライトの時間帯次第ではあるが、9千ポイントあれば片道の航空券を買えるケースも出てくる。
ということで、実質的にはマイル有効期限の1年延長に近いのである。期限の切れるeJALポイントは、そのまま1年有効な新しいeJALポイントになるので、実際に有効期限の延長である。注意点としては、事前登録が必要ということであろう。自動的に適用ではないので、期限切れの近いマイルやeJALポイントがある人は、すでに登録を受けつけているので、さっさと済ませてしまうことだ。
FOPの2倍積算
Fly On Point の取扱いについては、さらに太っ腹なものだ。今年の2月1日から7月31日までに搭乗した分は、自動的に2倍のFOPを積算してくれるというのだ。国内線、国際線ともに対象で、登録などは不要、すでに搭乗済みで通常のFOPが積算されているフライトも事後的に積算される。
3月31日以前の搭乗分に関しては、4月末までに追加分がまとめて積算される。それ以降に搭乗すると、通常のFOPと同時に、つまり、搭乗した2〜3日後にまとめて積算されるということだ。
ただし、2倍になるのは通常の搭乗分だけであり、ボーナスポイントについてはそのままである。気になるのは、ステータス会員向けのFOP1.5倍キャンペーンとの兼ね合いである。このキャンペーンで追加される0.5倍分はボーナスポイントなので、今回の2倍積算の対象でないことは間違いない。
だが、両方のキャンペーンが適用されれば、7月までのどこかを1.5倍月に指定すれば、2.5倍のFOPが積算されるということになるのだろうか。素直に文面を読み取れば、そういうことになる。だとすると、羽田 - 那覇をファーストクラスで飛べば、一挙に7,780FOPの獲得となる。
今さら、特便割で7月までの羽田 - 那覇ファーストを取るのは困難であろうが、JALビジネスきっぷや往復割引運賃でなら、まだ6月、7月の予約が取れる。6月分のJALビジネスきっぷで往復分を買えば、99,720円で15,560FOPとなり、単価は6.41円@FOPである。7月に入るとピーク期で運賃が2,600円ほど高くなるので、狙うなら6月だ。
JALカードの初回搭乗ボーナスと合わせれば、3往復でサファイア到達、6往復でダイヤモンドである。さすがに、先行き不透明なこの状況下で6往復ものフライトを予約するのは無謀の誹りを免れ得ないが、JALビジネスきっぷなら予約変更がいつでも可能である。1往復分ぐらいは買ってみるのもいいかもしれない。
通常のFOPしか積算されない月での利用になってしまったとしても、単価は14.87円@FOPだから、先得で那覇以外の路線に乗った場合と変わらないか、むしろ、よい方なので、6月になってもまだ気軽に出かけられる状況になってなければ、それ以降にすればいいのだ。
などと書きながらも、筆者は現在、国内外を問わずあらゆる出張が禁止されているので、手を出せる状況ではない。