JGCを目指す (2)

未明のシャルル・ド・ゴール空港

ひいきの航空会社も特になかった

何度か優先サービスやラウンジ利用をして、その有効性というか、自分にとっての重要性は納得できた。

では、これまではどうであったかというと、仕事やプライベートで飛行機に乗る機会がなかったわけではなく、むしろ、少なくはない方だったのではないだろうか。かつて、エールフランスのFlying Blueのマイル有効期限が、最後にスカイチーム便に乗ってから2年であった頃、ノースウエスト航空が成田からアジア各地にも飛んでいたので、フランス行きにエールフランス、アメリカや東南アジア行きはノースウエストと5年ほどかけてマイルをためて、搭乗マイルだけで特典航空券に到達したこともある。

しかし、搭乗の頻度としてはさして高くもなく、たいていの場合、エアチケットを買う度毎に、その都度、安い航空券を探して価格で決めることの方が多かったし、仕事で乗ることもあったが、こちらから航空会社を指定できる立場でもなかったので、いつも同じ特定のキャリアというわけではなかった。

もちろん、マイレージプログラムには参加していても結果的にマイルがたまるようなこともなかった。以前から、JAL、ANA、エールフランスと、三大アライアンスすべてのマイレージカードを持ってはいたものの、スカイチームで特典航空券を1度発券できただけで、等し並みに平会員なのであった。

もとより航空会社に特段の思い入れはなかった。往きの機内から海外気分ということで、あえて目的国のキャリアを選ぶこともあった。所詮は国際線の機内の話なので、どこの国のでもそんなに違いはないのだが、まあ気分の問題として。

人生で最初の飛行機はアエロフロートであったし、サベナ・ベルギー航空、スイス航空、ノースウエスト航空、コンチネンタル航空、アンセット航空など、今となっては存在していない航空会社にも色々と乗ったことがあるので、多様性という点ではそれなりのものなのかもしれないが、そんなことでは上級会員になどなれない。
 

成田発エールフランス夜行便

敢えて何度も乗った便と言うなら、かつて頻繁にヨーロッパに行っていた頃、東京側の空港はすべて成田だったのだが、当時、欧州航路の夜行便はエールフランスしかなかったので、ヨーロッパ内のどこに行くにもパリ乗り換えだったぐらいであろうか。確か20年ほど前は成田水曜発のみの週1便であった記憶がある。なので、ヨーロッパ行きは水曜発の翌週の火曜か水曜帰りというのが常であった。しかも、当時はこれが空いていたので、1人でエコノミー3席1列を独占して横になることもできた。

ただ、何度も利用したのは確かであるが、シャルル・ド・ゴールに朝の4時という、とんでもない早朝に到着する。それでも昼行便よりはフライト時間が長いので、ゆっくりと飛んでいたのだと思うが、RERの始発もリムジンバスの始発も1時間以上先、乗り換えの飛行機に至っては数時間先しかないという、早朝のロワシーで途方に暮れること請け合いの便であったから、ひいきというにはほど遠かった。

この記事の画像はその頃に撮ったターミナル2-F。確か、ロンドン行きに乗り換えるために保安区域内にとどまっていたのだと思う。ご覧の通り人気もない、したがって、開いている店など存在しない。

これがイタリアやドイツなどシェンゲン協定を結んでいる国に行く場合だと、フランスで入国するので保安区域の外に出れるのだが、外に出たところでカフェの1つも開いている訳ではなかった。
 

JALを利用し続けてみて

しかし、もはや若いとは言えない年齢になって万事につけ快適な方に流されるようになると、若い頃は過剰サービスと感じることもあった日本流の接客サービスを見直すようになり、昨年は主にJALを使ってみた。

結果としてマイルもJMBに集約されることとなり、東南アジアへ2回とアメリカに1回、それぞれプレミアムエコノミーで往復し、国内線も何度か利用したところ、昔なら自分にはなんの関係もないと思っていた上級ステータスを獲得することができたのである。一度だけではあるが、国内線のファーストクラスも利用してみたのだが、そのときにたまったFOPも大きかった。

ファーストクラスは正に最高のおもてなしといったところで、わずか1時間あまりとはいえ、実に快適な旅であった。ただ、さすがに分不相応で、1万円かそこらのよれよれコートを預かってもらうのは気恥ずかしくもあった。しかし、そのサービスは心地よく、若かりし頃に感じていた、好きにやるのでどちらかというと放っておいて欲しいという気持になることはなかった。
 

クリスタル会員、そして、さらに上を

図らずも上級ステータスに到達したとはいっても、取れたのは平賀医院の次のクリスタル止まりで、これではラウンジの利用ができない。羽田空港の国内線だと保安区域内にクレジットカードで利用できるラウンジがあるので、ここ数年はそこを利用していたが、国際線ターミナルや成田は出国手続き前にしかない。

とりあえず、今年2月に海外出張した際は、数少ないクリスタル会員への特典として、ビジネスクラス用カウンターでの優先チェックインをすることができた。帰りのシンガポールでは優先チェックインが威力を発揮したが、それでも、ラウンジも優先搭乗もなしである。

こうなってくると、俄然欲が出てくるのが人の性というもの、今年は去年以上に海外出張も増えそうなので、この際だからJMBのサファイアを目指し、その恩恵でJGCに入会してみようかと思い至った。

JALの公式サイトに獲得できるマイル数やFOPを計算できるページがあって、年始にすでに予定されている出張だけで4万FOPを超える見込みであった。さらに、JALとマレーシア航空のビジネスクラスのセールもあって、これをうまく活用すれば8月中にはサファイアに到達できる見込みが立った。

上級ステータスのために何度も飛行機に乗る、いわゆる修行などは私の性分には合わないのだが、これなら、どのみち行かないといけない出張にプラスアルファするだけで、むしろ、楽して獲得できそう。

以上が私がmilleage run、いわゆるマイル修行をしてみようかと思い立ったいきさつである。

 

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