サファイア会員に至る道
さて、JALのマイレージプログラムJMBには通常会員の他に、上から順番にダイヤモンド、サファイア、クリスタルという3段階の上級ステータスが存在している。このステータスを獲得するには、ステータス毎に決められた規定回数以上乗るか、規定距離以上乗るか、二通りの方法がある。
回数にせよ距離にせよ、元来がお得意様を優遇するための制度なので、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆と年に3回乗る程度では、到底到達し得ない数字である。年に3回、往復で6回でサファイアのステータスを獲得しようとすると、ニューヨークやロンドンまでファーストクラス利用という話になってしまう。当たり前だが、最上級ではないサファイア会員よりもファーストクラス利用客への優遇の方がはるかに上である。
余談ではあるが、これがANAだと必ず距離で稼がないといけなくなるので、JALの方が上級会員を目指しやすいというのは、マイレージ修行をしようとする人たちの間では有名な話、というよりは、常識の類らしい。もっとも、後で説明するとおり、この規定回数以上乗るというのが、並大抵のことではないのだが。
JALグローバルクラブに入会するには
さて、今回、筆者が目指しているのは、単純にJMBのサファイアのステータスだけではなく、JALグローバルクラブ JGC の会員になることである。
この記事を読もうというほどの人には既知の事実であろうが、念のために書き記しておくと、JGCというのはJMBでサファイア以上を獲得した人のみが招待される、JMBとは別個の会員制度で、指定されたJALカードを所有していることが入会の条件となる。
1度でもいいからサファイア会員になって、ひとたびJGCに入会すれば、対象のJALカードを保有し続ける限り、サファイアとほぼ同等のステータスがずっと与えられるというものである。
したがって、JGCを目指すということは、とりもなおさず、JMBでサファイア以上を目指すというこである。その方法が二通りということだ。それでは順番にその詳細な条件を見てゆこう。
年間に50回搭乗する修行僧
回数でJMBのステータスを獲得しようという場合、話は至極単純である。サファイアを手に入れるには年間で50回の搭乗が必要である。対象期間は1月1日から12月31日まで、ワンワールド便もマイルが付与される予約クラスなら搭乗回数としてカウントされるが、50回の内の少なくとも25回はJALグループ便でないといけない。
往復だと2回とカウントされるので、月に2回飛行機で出張に行く人はそれだけで48回となる。後は旅行ででも1往復すれば上がりである。このように頻繁に利用する乗客を優遇して、競合他社に流れないように囲い込むというのが本来のマイレージプログラムの趣旨なので、仕事でよく乗るという人には到達しやすい仕組みとなっている。
しかし、仕事などで月に何回も乗るというのではなく、純粋に上級ステータス獲得のためだけに50回搭乗しようという有徳の御仁も世の中には存在している。この場合、正に飛行機に乗るために乗るという、普通に考えてみれば意味のないことを50回も繰り返すのだ。修行のように険しい道を究めようとしているという意味で、尊敬の念を込めて(と同時に、やや自嘲気味にも)修行僧と呼ばれている。
しかし、私はよく乗ってふた月に2回(=1往復)がいいところだ。それとは別に家族旅行で使うかなという程度。これでは1つ下のランクである「クリスタル」の基準である30回の半分がようやくといったところである。
今年は搭乗する機会が増えそうなのだが、それでも月に1回程度であろう。年に数度の家族旅行も飛行機にして、ようやくクリスタルである。かといって、不足分をひたすら飛行機に乗り続けるという修行、というか、苦行の類は苦手である。
実際、筆者が昨年クリスタルに到達できたのは、回数ではなく、次に挙げる距離によってであった。
50,000FOP稼ぐ
距離でステータスを得ようという場合、単純に飛んだ実距離でもなければ、付与されたマイル数でもなく、Fly On Point、略してFOPという単位が使われる。予約クラスに基づくマイルの積算率であるとか優遇率であるとかを掛け合わせ、さらにボーナスポイントがつくこともある、この上級会員の資格獲得のための独自概念である。
計算方法はちょっと複雑ではあるが、JAL公式サイト内から計算することもできるし、まあ、この辺りの話は本当の意味での修行僧達のブログなどに詳しいので、私などが屋上屋を重ねることもあるまい。
とにもかくにも、このFly On Pointを貯めて、50,000に到達すること(内25,000FOPはJALグループ便)が必要条件となる。昨年はこれが3万ポイントに到達したので、JMBクリスタルを獲得することができたが、クリスタルではJGCに招待されないので、今年はその一つ上を目指そうというわけである。