マレーシア発券の帰路
成田行きMH70と組み合わせで発券したクアラルンプール行きMH71による復路便である。チケット上ではKUL - NRTの復路ということになるが、実際には前回から3週間ほど経過しており、日本発券の最後の区間と組み合わせて、クアラルンプール単純往復の旅程となる。
夜8時台のサクララウンジの混雑は前回ほどではなかったのだが、それでもシャワーだけはかなりの順番待ちとなっており、今回もまたサテライトにあるカンタスラウンジでシャワーを借りる。
機材はもちろんA350-900。今回は通常塗装だった。
搭乗ゲートに着いたときには搭乗客の行列がすでにできはじめていたが、ファーストクラスは恐らくいない模様で、ビジネスクラス及びワンワールド・サファイア以上の優先搭乗列と通常の列の2つができていた。
優先搭乗列に並ぶ利用客に対して、係員がワンワールド・エメラルドの会員はいないかと訊ねてまわっていた。実際には日本人だとJMB会員がほとんどであろうことから、日本語ではダイヤモンド・プレミア会員という表現も使っていた。もちろん、筆者は対象外で、最終的に対象者は1人もいなかった。
ビジネスクラス後方コンパートメント
マレーシア航空のA350-900はビジネスクラスだけで35席あり、1列だけとはいえファーストクラスも設定されている。そのため、ビジネスクラスの最後部は主翼の上にまで達しており、前方より2つ目のドアよりも後ろにもビジネスクラス席が3列ある。
今回はビジネスクラス最後尾の11K、1人がけのKの席がここしか空いていなかった。セールを頻繁にやっているからなのか、ビジネスクラスの搭乗率は高い。
飛び立ってしまえばカーテンが閉められるので関係ないが、搭乗時はエコノミークラス客の利用するドアよりも後ろに位置するので、少し落ち着かない。窓から外を見ると、トップの写真のようにエンジンの真横であった。
機内食は和食
筆者はときどき、海外出張先や旅行先であえて和食を食べることがある。和食が恋しいというような話では全くない。むしろ、日本では食べられない現地のB級グルメ、いや、C級ぐらいのローカルフードにチャレンジすることの方が多い(もちろん、失敗も多い)。
そのチャレンジの延長線上として、海外でローカライズされてしまっている和食に挑戦してみるのだ。だいたい想像がつくと思うが、成功率はそんなに高くない。いや、正直言って低い。それでも、10年ほど前と比べれば、珍妙なものに当たる回数はぐっと減った。
とびきり美味いということはないが(超高級和食レストランならいざ知らず)、全体的なレベルが上がってきているということだろう。いいことなのだろうが、世界の均質化という意味では少々つまらなくなってきたとも言える。
そして、マレーシア航空ビジネスクラスの和食は、意外といっては失礼なのかもしれないが、そこそこ美味しくて満足のいくものであった。しかも、これがサテの後に出てくるのである。その意味ではローカル色溢れる組み合わせとも言えよう。
未明のゴールデン・ラウンジ
前回乗ったときもMH71便は定刻よりもずいぶんと早くクアラルンプール国際空港に到着したのだが、今回は更に早着して3時半頃には着陸していた。余りにも時間が早い。市内に行くにしてもKLIA Expressの始発まで1時間以上、さらに、その始発に乗ってKL Sentral駅に5時半に着いてもしかたない。
今回はクアラルンプールが最終目的地で、この先の乗り継ぎはない。そこでゴールデン・ラウンジがアライバル・ラウンジとして利用できないかどうか、とにかく行ってみることにした。ラウンジの受付で特に何も言わず搭乗券を渡すと、何の問題もなく「どうぞ」と入ることができた。受付の人が特段なにかをチェックするとか搭乗券を見直すとかもなく、普通にスキャンしていたので、アライバル・ラウンジとしても利用できるということなのであろう。
今回はマレーシア航空便のビジネスクラス利用なので、利用できる可能性のいちばん高いケースである。これが他のワンワールド便での到着であったり、マレーシア航空エコノミー席とワンワールド・ステータスの組み合わせでも、アライバル・ラウンジとして利用可能かどうかは不明である。
例えば、香港にあるキャセイパシフィック航空のアライバルラウンジは、キャセイ便のビジネスかファーストクラスで到着した乗客専用と明言されている。ただ、香港は成田と同じように出発と到着が完全に切り離されているため、アライバルラウンジは本当に到着客して使えないので、それ専用に設置しないといけないのに対して、クアラルンプールは保安区域では出発客と到着客が入り交じる。つまり、出発客用の大きなラウンジと兼用できるので、利用基準が緩い可能性もある。
いずれにしても、朝4時前、さしものゴールデン・ラウンジ・サテライトといえども、食事はフルーツやヨーグルト程度しかなかった。そももそ利用客がほとんどいなかった。温かい料理の提供は4時から、おそらくはMH71便の本来の到着時刻以降ということのようである。
さっさと仮眠室に向かって一眠りして、その後、シャワーを浴びてから、KLIA Expressに乗ってクアラルンプール市内に向かった。このようにアライバルラウンジとして利用する際の注意点を一つ。チェックインバゲッジをラウンジに入る前に受け取ることはできないので、何も預けていない場合にのみ利用可能である。