夏までには運命の決まる札沼線
JR北海道がすでに「単独では維持困難」と表明している札沼線の末端区間であるが、すでにこの3月には地元4町がJRと廃止を前提とした協議に入ると表明している。夏までには結論を出したいということで、もはや風前の灯火といった状況となってきた。
鉄道の廃止は社会的な影響が大きいが、その一方で、路線の維持と安全の確保には莫大な費用が必要であり、ただただノスタルジックな感傷だけでは語ることなどできないのだが、もう乗れなくなると分かると乗ってみたくなるのが人の性だ。
新十津川駅から滝川駅への行き方
ただ、乗ってみようとは思っても、札沼線の末端区間は1日に朝の1往復しか走らないので、もし鉄道だけで行こうとすると、始発列車による単純往復しかなく、この記事執筆時点で札幌を6:58に出て、石狩当別で乗り換えて新十津川9:28着。そのまま、10時ちょうど発で折り返し、行きと同様に途中で乗り換えて、札幌には12:15着と、それだけで完全に半日が潰れてしまう。
これでは本当に純粋に鉄道に乗りたいという人以外には、いささか荷が重いというか、ただ単にひなびたローカル線の旅を味わいたいというだけの人や、筆者のようにノスタルジックに最果ての駅まで言ってみたいというだけの人間には辛い(まあ、新十津川駅は最果てではないのだが)。
ということで、ここでは新十津川駅からバスを使って幹線の滝川駅まで抜ける方法を紹介する。
駅から町役場まで400m程、歩いて5分と行ったところだ。以前は町役場内で新十津川駅到達証明書なるものをもらえたのだが、今年からは新十津川駅内に併設の観光案内所で発行することに変わっているらしい。ということで、町役場に早く着きすぎても仕方ないので、バス出発時刻の10分前にでも出れば十分である(積雪のある場合はともかく)。
バスの時刻は運行している北海道中央バス公式サイトから確認できる。4月1日改正で新十津川町役場発が9:50と9:56の2本あり、ちょうどほぼ待たずに接続できるようになっている。これを逃すとは次は10:50になる。
10分程で滝川駅前バス停に到着。これも先日までは滝川ターミナルという、駅のすぐ横にあるバスターミナルだったのだが、駅前の再開発に伴い、このバスターミナルが廃止となって「滝川駅前」というバス停に変更となった。もちろん、本当の駅前も駅前、滝川駅ロータリー内となっているようだ。
滝川駅からは札幌方面にも旭川方面にもすぐに特急がやってくるので、後は自由に旅程を組めばいい。残念ながら、富良野方面の列車は出た後で、次の列車は5時間以上先となる。
滝川から新十津川に向かう場合は
もし反対向きに滝川駅から新十津川駅に行って、10:00発の列車に乗ろうという場合は、滝川駅前9:15発のバスがあるので、少々バスが遅れたとしても9時40分頃には駅に着くことができるであろう。その日の上り下り含めての最終列車に乗りたい場合は、こちらの経路でどうぞ。
もっとも、札幌から来て札幌に戻るのであれば、特急を利用したところで1時間程度しか変わらないので、のんびりと札沼線で往復してみるのもよい。まあ、こんな記事を書いてながら、往復5時間ひたすら列車に揺られているというのは耐えられないのだが。いや、だからこそのパイパス経路の紹介なのである。